だから、笑って。
うんうん、と先輩は目を輝かせた。
「やっぱり菜乃花ちゃんの方が似合うよ。このリップいつもお世話になってるし、あげるよ」
「えええ、そんな、申し訳ないです」
私は全力で拒んだ。
だって、先輩が精一杯バイトで稼いで買ったものなのに…。
「んーん、いいのいいの。今月はボーナスあるって店長言ってたしさ!先輩の命令だぞっ」
そう言われると何も言い返せない…。
私はお礼を言って、新色のリップを受け取った。
うん、そうだよね。
どの夏も一度きりだもん。
そして、凜くんと迎える初めての夏だもん。
思い切り楽しまなきゃ!
