愛を知らない一輪の花
「、、、急にどういう風の吹き回しだ。諦めるんじゃなかったか?」
正面に座ったままの蓮に声を掛ける。
「諦めるつもりだった。いや、諦めたつもりだったんだ。でも山本先生の話を聞いて、、、思い出した。彼女が欲しいって。他人の心に寄り添える彼女に、寄り添いたいって。あの子の闇も全て受け入れて、たった1人の家族になりたいんだ。、、、俺の我儘だってわかってる。押し付ける事が愛じゃない。それでも生まれて初めて欲しいとおもった。形振りなんか構ってられない。」
「、、、随分な我儘だな。いい大人が聞いて呆れる。11年間、側で見守って来たんだ。、、、愛情だってある。俺を過労死させようとしてるんだ。本気で行かないなら許さない。」
透は立ち上がり、会議室のドアに手を掛ける。