愛を知らない一輪の花

「あ!社長、ナイスタイミングでした。出来ましたよ?座って下さい。」


テーブルには、ふわふわのスクランブルエッグに厚切りベーコンのソテー。うちの冷蔵庫にはない筈の彩りの綺麗な、レタスやベビーリーフにトマト。

湯気が出ているベーコンの入ったミルクスープ。そしてキツネ色に焼かれたバケット。


ホテルに出てきそうな朝食に、感動して言葉が出ない。こんな短時間で?あまりの手際の良さに、彼女は本当に自炊しているのだと実感する。


感動の余り、固まっている蓮の姿に、不思議に思いながら、声をかける。

「社長?どうされました?」



「いや、何でもない。ありがとう。頂くよ。百合も一緒に食べよう?」

名前を呼ばれ一瞬びっくりしたが、平常心を保ち席へと座り、2人で朝食を食べた。
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