愛を知らない一輪の花

本店に入り、誰もいない作業場に足を進める。

花屋は夏の暑い日は、快適な職場だか。寒い冬は地獄だ。店内は少し暖房が入るが、作業場などは寧ろ外より寒く感じ、水の方が温かく感じる事だってある。


ロッカーのある休憩室に、暖房をつけて作業場で掃除を始める。
すると店長の優香が出社してきた。


「おはようございます。」


「、、、おはよう。ちゃんと言った時間に出社したのね。遅刻でもしたら、速攻辞めさせてあげようと思ったのに。、、、残念。」

冷たい表情の後ろから本店スタッフが次々と出社して来た。


作業場の百合を置いて、ガヤガヤと休憩室に入った途端、部屋の暖かさに驚く。


「暖房ついてるー!あったかーい!!」

百合がつけたであろう暖房に複雑な気持ちになった優香だった。
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