永く青い季節 〜十年愛〜




浮わついた気持ちをどうにも抑えられない状態で、しかし彼の誘いがどういう意味を持つのかわからないまま、二日後に私は彼と待ち合わせをした。


外を歩くのも暑い時期なので、水族館に行くことになり、夏休みの家族連れに紛れて、海の生物を見てはしゃぎ回る子ども達につられるように騒いでみては我に返る、の繰り返し…。
何だかどうしてもぎこちなさは抜けない…。

けれど、高校生の頃は部活の練習で会えるのだけでも嬉しくて、デートらしいデートなんかした事なかったな…
そう思うと、それを今、自然にできている事がとても楽しかった。


これをデートと呼んでいいのか、この先どうなるのか、彼がどう考えているのか、それはわからないけれど…。
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