永く青い季節 〜十年愛〜
一緒に過ごせる最後の夜、夏祭りの花火の賑わいの後、彼と初めてのキスをした。
手を繋ぎ、二人で見た色とりどりの大輪の花はとても美しく、花火の音は心の奥を震わせた。
静けさと夜の色を取り戻した空の下、隣に寄り添う影がそっと近付いて来た。
目を閉じた私の瞼の裏には、さっきの花火の残像が、揺れては消えてを繰り返す。
心の中が蕩けそうな甘い時間が過ぎて、ゆっくりと目を開けると、紺碧の空に控えめに光を放つ小さな星の煌めきが、やけに眩しく感じた。