【完】こちら王宮学園生徒会執行部
◆
「ん……」
毛布のやわらかな感触を感じて、肩に引き寄せる。
あれ、わたし昨日、肩に直接毛布が触れるような格好で、寝たっけ……?
──ぱち、とまぶたを持ち上げれば。
視界にうつる天井に一瞬ぼんやりして、ばっと上半身を起こす。まわりを見回せば、自分が寝ているのは彼と共同で使う寝室にあるベッドではなく。
「え……っと、」
マンションの、自室のベッド。
思わず自分の姿を見下ろせば、着ているものはキャミソール一枚。
昨夜のことをぐるぐると思い出していれば、コンコンと控えめなノックの音。
それから扉が開く瞬間に、思わず胸元を毛布で隠した。
顔をのぞかせたのは、当然というか、いつみで。
彼はわたしの姿を見ると、穏やかな口調で声を紡ぐ。
「ああ、起きたか。おはよう」
「お、はよう……ねえ、昨日、わたし……」
昨日は、いつみのご両親にお会いして。
それから帰りに車に乗ったことは覚えてる。……けど、そのあとの記憶が一切ない。
「起きなかったから、寝かせておいた」
「あああっ、やっぱり……! ごめんなさい!」
マンションについたら起こしてって言ったのに……!!
完全に寝ちゃったってどうなの……!!しかもたった今までぐっすり寝てるなんて……!!
申し訳なくてベッドの上で正座のまま謝罪。
そんなわたしの元に歩み寄ってきたいつみは、なんの脈絡もなくわたしの首筋に顔を寄せて。