【完】こちら王宮学園生徒会執行部
「もうすこし引き延ばす?」
「……いや。
予定通り結婚していいか、聞いてくる」
「、」
「言っただろ。
お前のこと欲しくてしょうがねえんだって。事情があってもやっと結婚できるところまで来たのに、いまさらナシにされても困る」
……結婚したいって、言ってくれてるのか。
わたしだってすっかり3月には結婚する気でいたから、そうしてもらえるなら嬉しいけど。
「珠王 南々瀬。……語呂は悪くねえな」
「……ふふ。
でもそれだと、もうロイヤル部の姫にはなれないわね」
あれは名字で構成されていたわけだし。
なんて思いながらスープに口をつけていたら。顔を上げたいつみが、真顔で一言。
「ロイヤル部の姫じゃなくなったとしても。
これから先ずっと、俺だけの姫でいられるだろ?」
「っ……ねえ、恥ずかしくないの?」
思わずスープをこぼしそうになった。
そんな激甘なセリフ言われても困る。
いつみはふたりきりになると糖度高めにわたしを翻弄するし、それが本音だってわかってるから余計にタチが悪い。
……恥ずかしいのに、嬉しいし。恋愛って怖い。
「お前しか聞いてねえから良いだろ」
「……わたしはいつみ相手でも恥ずかしいの」