【完】こちら王宮学園生徒会執行部



つらつらと頭の中で朝食のメニューを思案して。

早速取り掛かっていれば「手伝うか?」と聞かれたけれど、平気と断った。



大学に通いながら、家の仕事もすでに色々とこなしているいつみ先輩。

前にちらっとパソコンを覗き込んでみたら、わたしには訳のわからない単語やら数字やらで埋め尽くされていた。



どうせやる仕事なんだから、はやく覚えた方がいいだろ、とのことらしいけれど。

そうやって珠王のことで精一杯な彼に、迷惑をかけたくないから、わたしはサポートに徹する。



「南々瀬」



「……うん?」



「今週末、暇か?」



土曜でも日曜でも、と。

言われてすこしだけカウンターに乗り出し、リビングのカレンダーを覗いた。




「土曜日は生徒会棟に集まって、

生徒会の歓迎会しようって話してるけど……」



王学の生徒会は、元々各学年2人選出の全6人構成らしい。

けれどわたしが生徒会長になった今、その方法を用いてしまうと、椛と莉央のふたりを選ぶことができなくなってしまう。



そのため、理事長に直談判。

あっさり「うん、いいけど?」と言ってくれた理事長のおかげで、新しく生徒会長補佐という役割ができた。



その枠におさまったのが、椛。

副会長に莉央とルノ、会計にルア。



そして会計補佐と書記に、

それぞれ1年生を選出したのだけれど。



「歓迎も何も、元から知り合いじゃねえか」



「……うん。そうなんだけど、一応ね」



< 3 / 276 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop