お願いドクター、毒よりも愛を囁いて
その様子を見ながら、ひょっとしたらドクターはこの捻挫の処置をカルテには書いてないんじゃないのかなと思った。
だとしたら、こっちは湿布もテープも貼ってもらって、苦手だと言ってた包帯も巻いて貰ってるのにどうしようか。
診察代は要りませんと言われても困るな。
ドクターの良心に甘えるのもイヤだし。
カウンターに向けてた目線を足元の包帯に移す。
上手に巻かれた包帯は、一晩経っても緩みもしないで綺麗な状態のままだ。
(今日これを解いてしまったらやっぱり勿体無いな。あーあ、解きたくないなぁ……)
眺めてたら後方から足音がした。
カウンターの女性が、「あ…」と声を漏らしたから何気に視線をそっちに向けた。
「…あんた、また来たのか」
ブルーのシャツと紺のスラックス。
スッキリと清潔そうな出で立ちで現れた人は、呆れた口調でそう言ってきた。
「昨日言ったじゃないですか。診療代支払いに来ますって」
腰を上げずにそう言い返すと、ドクターは肩を竦めて近寄って来る。
受付の女性が「先生」と呼んでも知らん顔をして、私の足元を見つめた。
だとしたら、こっちは湿布もテープも貼ってもらって、苦手だと言ってた包帯も巻いて貰ってるのにどうしようか。
診察代は要りませんと言われても困るな。
ドクターの良心に甘えるのもイヤだし。
カウンターに向けてた目線を足元の包帯に移す。
上手に巻かれた包帯は、一晩経っても緩みもしないで綺麗な状態のままだ。
(今日これを解いてしまったらやっぱり勿体無いな。あーあ、解きたくないなぁ……)
眺めてたら後方から足音がした。
カウンターの女性が、「あ…」と声を漏らしたから何気に視線をそっちに向けた。
「…あんた、また来たのか」
ブルーのシャツと紺のスラックス。
スッキリと清潔そうな出で立ちで現れた人は、呆れた口調でそう言ってきた。
「昨日言ったじゃないですか。診療代支払いに来ますって」
腰を上げずにそう言い返すと、ドクターは肩を竦めて近寄って来る。
受付の女性が「先生」と呼んでも知らん顔をして、私の足元を見つめた。