お願いドクター、毒よりも愛を囁いて
オフィスの前で車から降ろされたら、それを見てた部署の先輩達から質問攻めにされ、朝帰りをしたのか!?そうでなければお持ち帰りか!?と包囲された。


「どっちも違います!」


説明するのも憚られ、とにかく否定してみた。
だけど、皆は聞く耳なんて持ってない。


「どっちでもいいけど羨ましい!」


「あんなイケメンに送られるなんて」


「いやあのー、私の顔見て言ってます?」


二日酔いのせいで、パンパンに浮腫んでるんだけど。


「それにしても誰よ。あのイケメン」


「この間から通ってる外科の先生です」


「ドクター!?」


「うそぉ!ステキ!」


「波南ってば、いつ彼を手に入れちゃったの!?」


「いやー、別に手に入れた訳では…」


「手にも入れない人がオフィスまで送ってくれる!?素直に彼氏だと認めなさいよ!」


「いや、そう言われてもね」


違うものは違うんだから。


「私、あんなドクターならケガして病院に通いたいわ」


「それやめた方がいいですよ。見かけに寄らずサドで毒吐きますから」


「いや〜ん、タイプ♡」


「いやいや、変ですよ。その考え」


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