気付けば、君の腕の中。
このままでは桃を泣かせると判断したので、大人しく凜くんと観覧車に乗った。
…今頃、桃は一人でベンチに座って待ってるのかな。
まるで、学校の下駄箱で寂しく待つ、あの時と同じ過ちを繰り返している気分だ。
目の前で凜くんは、窓にぺたりと両手をくっつけて、きらきらした瞳で夜景を楽しんでいる。
こんな状況でなければ、あたしも楽しめたのかなあ。
本当…、あたしは中途半端だ。
凜くんと桃の背中を押したかったのに…。
桃にあんな顔をさせるなんて、友達失格だ。
どんどん観覧車は頂上を目指し、地上から離れていく。
「…ねえ、凜くん」