気付けば、君の腕の中。


お姉ちゃんに会ったら、あたしはちゃんと伝えたい。

もう、逃げ出さないためにも。

過去にけじめをつけるためにも。


「お姉ちゃんに会って、今度はちゃんとお姉ちゃんの幸せを願いたい。
それで、お父さんとお母さんと再会して、家族みんなで向き合いたいんだ」

「絢華……」

「だから、奈々美…一人じゃ心細いから、お姉ちゃんのところまで着いて来てくれるかな?」

「っ勿論!! 本当、強くなったのね絢華は」


涙を拭った奈々美は、ようやく自分の頼んでいたガトーショコラを口にした。



「…奈々美、それでね」

「んん?」



「家族みんなの笑顔を取り戻して、もう一度歩き出せたら…、そうしたら――」


あたしの言葉に奈々美は泣きそうな表情で「頑張れ」と言ってくれた。


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