気付けば、君の腕の中。


お姉ちゃんのビー玉のように綺麗な瞳から、ぽろりと涙が零れ落ちた。

あたしはお姉ちゃんの隣に座ると、優しく背中を撫でる。


「早く、気づいていれば、こんなことには、ならなかったのに…! 私だってもっと頑張れていたら…!!」

「…お姉ちゃん、まだ間に合うよ」


後悔しても、前には進めない。

過去を見つめたって、そこに戻れるわけではないのだ。


―きっかけなんて、人と関わるうちにいつの間にか出来るものだった。


あたしは“一人”できっかけを探していたから、ずっと見つからなかったのだ。


「だってあたしたちは…、近所で羨ましがられるほど、仲がいい家族なんだから」


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