気付けば、君の腕の中。


その言葉に頷いてくれたお姉ちゃんは、家を出て行った日から後悔していたようだ。

月城にも迷惑をかけてしまい、最近では気まずい空気の中で一緒に過ごしていたらしい。


「よし、お姉ちゃん。久しぶりに会ったんだから、何か歌おうよ」

「そういえば絢華…、音痴だったわね…。それよりも絢華の恋バナが聞きたいわ。教えてよ」

「え、ええ……いいよ、あたしは、その」

「だいぶ前に近所に引っ越してきた男の子と、道の真ん中で抱き合ってなかった?」

「え、え!? み、見てたの!??」

「久しぶりに家に帰ろうかと思ったら、寒い空の下で抱き合ってるものだから、何のドラマの影響を受けたのかと思ったよ」

「…は、恥ずかしい……」


多分、あたしと凜くんが中学生の頃の話だろう。


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