気付けば、君の腕の中。


隣で絢華が涙を呑んだような気がした。

必死に泣かないように気を引き締めているのだろう。


「…恋を自覚してから、絢華が五十嵐といるところを見るたびに、胸が悲鳴を上げた」


ずっと前から、いや…出会ったときから、俺は絢華のことが好きだったのかも知れない。


絢華が俺以外の人と喋ると、例え相手が女の子でも嫉妬してしまう。


「廊下で五十嵐にキスをされかけても、絢華が嫌がらないのを見て、初めて“失恋”したんだと思った」


今まで付き合った人に“飽きたから”と言われて、振られても辛くなかったのに。


「部活をしていても…、絢華と話せなかったことばかり悔やんで…、全然集中できなかった」


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