気付けば、君の腕の中。
絢華の温もりを体の全てで感じていると、不意に体を離した絢華が首を傾げた。
「な、んで…凜くん、いつも消毒液の匂いがするの……?」
「? ああ、料理で手を切ったり、腕を切ったりするから…?」
「腕を切る!?」
ぱっと俺の服の袖を捲った絢華は、今にも目が飛び出しそうなほど驚いていた。
「ほ、包帯巻いてる…!」
「…その、母さんに、帰ってきてほしくて…。料理を頑張ってみたんだけど…、全然駄目で…」
「これからっ、その…、あたしも一緒に教えるね...! それと、いつでもいいから凜くんのお母さんに会ってみたい…なあ、なんて」
……え、絢華が料理を教えてくれるの?