気付けば、君の腕の中。


俺の言葉に驚いた絢華は目を丸くさせて、少し泣きそうな表情で頷いた。

自然と頬に触れると、絢華がぴくりと肩を震わせた。


親指で絢華の頬を撫でて、顔を近づける。

何かを察したのか、ゆっくりと目を閉じてくれた。



「……絢華」

「凜、くん…」


あと少しで唇が触れ合う―、と思ったその時だった。

ダダダッ!と何かが音を立ててこちらに向かってくる。

絢華から離れて振り返ると、赤いハチマキを頭に巻いた男の子が突進してきた。


「あやかからはなれろー!!」


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