雨の降る世界で私が愛したのは
それにあくまでもそれは噂でしかない。
そうではあっても依吹を目の前にして今まで通りに接することができるだろうかという不安もあった。
少しでも依吹に何かを感じ取られるのが怖くて一凛も依吹に会うのを避けていたところもあった。
そうこうしているうちに新しい学年になった。
留学するまであと一年あるといっても、英語の勉強を始め準備することはたくさんあった。
結局依吹とのことはそのままになってしまった。
話すつもりはなかったのだが、ほのかにそのことについて話すと、ほのかはまるで自分のことのように怒った。
「キスしておいてそのまんまだなんて信じらんない!ない、ない、ない、ぜったいないからそんなの。止めといた方がいいよそれ。つか、よかったよ依吹がそんな男だって早い段階で分かって。次いこ次」
ほのかは散々依吹のことを罵ったが、依吹のお姉さんのことについては何も言わなかったので一凛はどこかでほっとした。