気付いて、届いて
大きな公園でイベントをやっていた。

やっていた、というか、もちろん、調べてあった。

彼女はカラオケ、ゲーセン、ネカフェとかいうところがあんまり好きじゃない。
なんていうか、

いわゆる「健全なデート」が好きみたいだ。

みたいだ、というのは、つまり、なんとなくだ。

そういう場所のほうが彼女にあってるし、
楽しそうにしている気がする…。

そして、今回のデートは大成功みたいだ。

あまりしゃべらない彼女が笑ったり、驚いたり、はしゃいでいるから。

横顔がまぶしいのは、太陽の光がワンピースの白で反射しているからだけじゃない。

ステージに立った男がヨーヨーをとりだし、振り回したり、投げたり、2つ使ったりすると、

「すごい」

「かっこいいー…」

「今の、見た?」

表情豊かな彼女。

ヨーヨー使いの少年や、女子高生のヒップホップ、アカペラバンドより、
俺は、彼女の横顔に夢中だった。
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