この恋は、きみの嘘からはじまった。
拗ねていたのはどこえやら。
満面の笑みを浮かべた司くんと目が合う。
「俺も」
そう言って顔を近づけてくるけど、寸止めされておでこをこつんと合わせた。
至近距離で恥ずかしい。
「ほんとはここでキスして琴乃に触ってイチャイチャしたいけど、他のやつにそんな琴乃を見られたくない。
俺だけの特別だから」
「っ、」
「またあとで」
距離をとると、私の手にちゅっとキスを落とした司くんはまだ制服なのに王子様に見えた。
歩き出した後ろ姿をふわふわした心地で眺める。
「司ってめんどくさいやつだな。
気持ち悪いほどに。
それだけ桃瀬ちゃんに本気なんだね?」
「え?」
「じゃ、俺も行くわ」
杉山くんが私に笑いかけると、すぐに司くんのあとを追いかけていった。
私ひとり残された廊下。