この恋は、きみの嘘からはじまった。
なのに、それすら許されない現実を知った。
「失礼ですがどこのご令嬢でしょうか?
うちの仁に見合うくらいのお家柄に決まってますわよね?」
「え……」
視界が真っ暗になった。
私のうちは一般家庭で、小野寺くんのお母さんが言うお家柄ではない。
名乗る前にそんなことを言われるとは思わなくて、戸惑ってしまう。
小野寺くんに見合うお家柄。
そんなこと考えたこともなかった。
小野寺くんはこれからトップに立つ人。
それに比べ、私はなにもない。
小野寺くんの隣に並ぶには、それに見合った特別ななにか。
生まれる前から決められている資格があるんだ。
「母さん、やめてください。
琴乃はそうゆうの関係なしに大切な人なんです」
「まぁいまはいいわ。
でも、早く目を覚ましなさいね」
胸にズシンときた。
小野寺くんに言ったセリフなのか、私に言ったセリフなのかわからない。
でも本当に目の覚める思いだった。