この恋は、きみの嘘からはじまった。




悔しさも悲しさも寂しさも。



全ての感情が消えていった。



心の中は空っぽ。




その手切れ金は無理やり持たされ、なにも言えず立ち尽くす私を気にも留めずに帰って行った。




どれだけ立ち尽くしていたかはわからない。




数分だったかもしれない。


その数分がすごく長く感じて、自分ひとりしかこの世界にいないんじゃないかって錯覚してしまうくらいだった。





現実に戻されたのは電話の着信音。




ポケットに入れていたスマホを取り出し相手も確認せずに応答を押して耳に当てた。





「……はい」


『琴乃、いまから会えない?』


「……会いたい」


『いますぐ家に行く』




それだけ言うと私の返事も聞かずに通話は切られ、悲しい機械音が数回聞こえて音が消えた。








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