この恋は、きみの嘘からはじまった。
スマホを耳から離し、ポケットに戻す。
少し待てば足音がすごい速さで近づいてくる。
その足音は私の家の前で止まり、自然と俯いていた顔を上げれば肩で息をする小野寺くんがいた。
「はぁ、はぁっ……お待たせ」
ニコッと微笑む小野寺くんに、私も薄く笑い返す。
ゆっくりと近づいてきて、すぐ目の前に立つと抱きしめられる。
「ごめん、汗かいててくさいいけどこうさせて」
それだけで、小野寺くんがここに来た理由がなんとなくわかった。
だから私もそれを受け入れて小野寺くんを抱きしめ返した。
「……あれ?
これなに?」
「あ……これ、小野寺くんのお母さんに返しておいて」
握ったままだった手切れ金。
疑問を持った小野寺くんと体をすぐに離してそれを渡す。
中身を見た小野寺くんは傷ついたような顔をした。