この恋は、きみの嘘からはじまった。
だから言いたくなかったんだ。
涙が溢れるけど、急に暗い雲が空を覆い雨が降り始めた。
おかげで、頬を濡らしているのが涙なのか雨の雫なのかわからない。
「これ以上、私を傷つけたくないなら未練が残るようなことしないで……」
「琴乃……」
「小野寺くんは、将来多くの人を導くために正しい選択をするだけなんだよ」
自分で言って苦しくなる。
笑おうと思っても、もちろん笑うことなんてできない。
雨が私たちを濡らし、雷まで聞こえる。
濡れた髪の毛が頬にはりつく。
小野寺くんの髪の先からも雫が滴り落ち、頬を伝って雨と一緒に地面に落ちる。
「気をつけて帰ってね。
風邪引かないように、家に帰ったらすぐにお風呂に入ってちゃんと温まって……」
「琴乃」
「あ、傘とタオル持ってくるね。
返さなくていいから」
「琴乃!」