この恋は、きみの嘘からはじまった。
背を向けると同時に腕を掴まれた。
完全には振り向かず、横目で小野寺くんを見る。
なにも言わず掴む強さだけ強くなる。
胸が苦しくて痛い。
「小野寺く……」
「仁!
こんなとこにいたの!?
風邪引くじゃない、早く帰って来なさい」
名前を呼ぼうとしたら、車の急ブレーキの音に遮られ、すぐに小野寺くんのお母さんが窓から叫ぶ。
それと同時に黒いスーツの男の人が小野寺くんの肩を持ち、私から引き離す。
「なんでこんなところに……お金渡したでしょう!?」
「返します。
もう、小野寺くんとも関わりません」
「最初からそうすれば良かったのよ」
「母さん!」