この恋は、きみの嘘からはじまった。





「小野寺くんとはそんな感じで別れてけっこう引きずってた。
でも、司くんが全て塗り替えてくれた。
単純な私だけど、単純で良かった」





司くんを好きになって良かった。


つらかった私の気持ちを忘れさせるくらい、司くんは魅力的だった。



なににも囚われない真っ直ぐな背中に、一瞬で心を持って行かれた。






「なのに、小野寺くんと再会したら涙が止まらなかった……」




自分の気持ちがわからない。


私はまだ、小野寺くんのこと吹っ切れてないんじゃないかって不安になる。





「仕方ないんじゃない?
だってすごく好きで、好きあってて別れたんだから。
再会したらそりゃ気にもなるし、いろんな気持ちが溢れてくると思うよ」


「え……」


「こっちゃんの話聞いてたら、めちゃくちゃ好きだったってことでしょ?
簡単に気持ちが消えなくても不思議じゃないし、いまは好きじゃなくても特別な気持ちに変わりはないよ」





秋人くんの言葉に胸が熱くなる。






< 289 / 438 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop