この恋は、きみの嘘からはじまった。
その姿を見た瞬間、頂点にまで達していたはずの怒りがいっきに消えてなくなる。
なんで琴乃は謝ってるんだ?
俺が手を伸ばしたら肩をビクつかせて、秋人にしがみつく。
泣きながら秋人の名前を呼ぶ。
あぁ……そうゆうことか。
「俺のこと、きらいになったかな……?」
怖がらせた。
嫌な態度もとった。
そんなの、きらわれて当然。
琴乃が本当につらくて泣きたいときに、俺じゃない別の誰かの腕で泣く。
情けない。
琴乃が苦しんでるときに、俺は自分の怒りに任せて小野寺に掴みかかった。
震えてる琴乃じゃなく、小野寺に近づいた。
対照的に秋人は琴乃に駆け寄った。
この差だよな。