この恋は、きみの嘘からはじまった。




その姿を見た瞬間、頂点にまで達していたはずの怒りがいっきに消えてなくなる。


なんで琴乃は謝ってるんだ?

俺が手を伸ばしたら肩をビクつかせて、秋人にしがみつく。


泣きながら秋人の名前を呼ぶ。





あぁ……そうゆうことか。







「俺のこと、きらいになったかな……?」




怖がらせた。

嫌な態度もとった。



そんなの、きらわれて当然。




琴乃が本当につらくて泣きたいときに、俺じゃない別の誰かの腕で泣く。




情けない。


琴乃が苦しんでるときに、俺は自分の怒りに任せて小野寺に掴みかかった。



震えてる琴乃じゃなく、小野寺に近づいた。





対照的に秋人は琴乃に駆け寄った。



この差だよな。







< 320 / 438 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop