この恋は、きみの嘘からはじまった。





だらしなく、そのときの俺が楽しめたらそれでいいって自由なスタンスで生きてきた自分を初めて悔やんだ。



そんな悶々とした気持ちを抱えながら休み明け。


一応、いつも通りの時間より少し早く出て、琴乃との待ち合わせ場所に行く。




琴乃と連絡はとりあってないけど、毎日の約束は特にせずに自然に一緒に学校へ行っていた。




改札から出てくる人の流れを見つめるけど、同じ制服を着た人はいても琴乃姿は見当たらない。


そのまま琴乃を探すも、やっぱり来なくて学校に遅刻するから学校へ向かった。




スマホを確認してもメッセージは届いていなかった。


倒れてどこかケガでもしたのか?

学校は休む?




いろんな考えが頭の中でポンポン浮かんでくる。



だけど、学校へ着いて琴乃の靴箱を確認するとローファーが入っていたから先に行っていたんだとわかる。




避けられた。




その事実を表しているローファーに、胸がズキンと痛んだ。



ださ。


たかが靴を見るだけで、つらくなるとかださ。






< 323 / 438 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop