この恋は、きみの嘘からはじまった。




「……話、聞いてもらっていいかな?」



もう逃げたくない。


司くんのこと信頼してないわけじゃないから。



嫌われるかもしれない、傷つけてしまうかもしれない、理解してもらえないかもしれない。




そんなたくさんの不安があるけど、司くんには話さなければいけない。






「聞くよ、なんでも」




司くんが受け止めてくれるから。



きっと、大丈夫だから。


私は秋人くんに話した内容と同じことをすべて話した。

いまの彼氏に元カレの話をするなんて、変な感じ。



話している間、司くんはなにも言わなくて本当に聞いているのかさえわからない。




嫌になったかな?



胸がチクチクして苦しくて司くんを見れば、私をじっと見て目が合うと少しだけ微笑む。




だから、そのまま細かくすべてを話した。








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