この恋は、きみの嘘からはじまった。




話し終わっても司くんはなにも言わない。





怖い。


やっぱり私のこと嫌いになったのかな?




小野寺くんのこと、いま思い返しても好きだったって思う。





初恋で初カレで、私に恋の楽しさや苦しさを教えてくれた人。

感じさせた人。





やっぱり、忘れることなんてできない。






「……それ聞いて秋人は?」


「……初恋は特別って言ってくれた」


「……はぁー」





長いため息を吐くと、司くんは私の肩に頭を乗せてきた。


びっくりして目を見開き、顔を少し横にして司くんを見つめる。





「つ、司くん……?」





恐る恐る名前を呼ぶ。


どうしたのかな?




ため息ついてたから反応が怖いけど、こうやって近づくとそっちに意識が持っていかれる。





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