この恋は、きみの嘘からはじまった。
この2人は如月くんに1番近い友達。
私よりも一緒にいる時間は多い。
私だってそこまでばかではないと思っているから、なんとなくは理解できた。
如月くんは、私のことを好きじゃない。
思えば“付き合わない?”とは言われたけど“好き”なんて1度も聞いたことがない。
あまり会話をしたことがない、地味な私を好きになるなんてありえなかった。
そんなの最初から薄々気づいてた。
だから思いのほか冷静でいる自分がいる。
音を立てないように教室に戻り、自分の席に座り如月くんを待つ。
少しすると足音が聞こえてきて、その足音はどんどん大きくなり止まった。