この恋は、きみの嘘からはじまった。
「もう少し一緒にいたかったけど戻ろうか」
「……うん」
返事をすると、如月くんが先に立って私に手を差し出す。
その手を借りて立ち上がるとぎゅっと強く握り直され、そのまま一緒に教室に戻った。
周りからの視線には最近やっと慣れてきたところ。
校舎内でもこうやって手を繋いだり、距離が近い。
これもあの雨の日から。
「放課後に迎え行くから」
「うん」
「じゃ、あとで」
如月くんは私の頭をポンポンとしてから、隣の教室に戻っていく。