【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー







「それじゃあ山崎くん、はいこれ」



「...えっ?」



地面に無数にある石をしゃがんで拾って山崎君に差し出すけど。


意味わかんなそうに石を受け取らない山崎君に


「見てて」


と、カッコつけながら言った私は
おもいっきりシャッターに石を投げた。



石がぶつかってガシャーン!!と音が鳴るシャッターってば、ほんといい音だすよね...。


ちょっとクセになりそうな音を作り出すために何回も何回もシャッターに向かって石を投げていたら。




「ちょっ、!!!!なにしてんの紬ちゃん!!」



石を投げようとした手を山崎君に掴まれて、止められてしまった。




「...だってシャッター閉まってるんだもん...。
中に誰か居たら、この音聞いて開けてくれるでしょ?」



「...もしかして、前もそうやってシャッター開けさせたの?」



「あったりー!!!!」



「勘弁してよ紬ちゃん...なんか胃が痛いよ俺...」




こっちだって胃が痛いよ、山崎君。




だって倉庫の前で山崎君と2人っきりがずっと続くなんて、イヤだからね、わたし。








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