【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
相当夜季の倉庫に思い入れがあるのか
これ以上倉庫がボロボロになるのを見ていられない山崎君は、結局石を投げずにタバコを吸い始め現実逃避。
夜季からも...流からも逃げたくせに。
結局夜季を傷つけるようなことはしないんだね、山崎君。
「優しいじゃん...」
ボソッと山崎君を見ながら呟いたら、目が合った。
「...紬ちゃん、他の作戦考えよ」
「でも...石を投げて音立てるしか、中に居る人たちに気づいてもらえないよ?」
「うーん...。
神庭刺して逃げ出した俺を、簡単に倉庫に入れてくれるわけないだろうし...。
どうしよう...」
普段使ってない頭で、2人で考えた。
すると
なにか思いついたわけでもないのにーーーガラガラガラと。
魔法の呪文でも唱えたみたいに勝手にシャッターが開いた。
「...ん?なにしてんだ、ムギ」
「...あ?山崎もいんじゃん」
中から出てきたのは流と圭。
私はともかく。
流と顔を合わせる心の準備ができてなかった山崎君は震えが止まらないみたい。
ガクガクのブルブルだ。