【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
「ほら、茶、飲めよ」
「いらない」
「...ちっ」
圭に渡されたお茶を遠慮なく断ると舌打ちされた。
不機嫌になる圭のご機嫌取りはもうゴメンだ。
私はもう、あなたに一切興味ありませんから。
しかし...正直倉庫の中でこうも時間を使うとは思ってなかったから、なんだか落ち着かない。
山崎君...早く流に話切り出してくりないかなー...
さっきから流も山崎君も黙ったまんまだし。
「...でっ?お前は何しに来たんだよ、山崎」
積まれた段ボールにもたれながら
私に返されたお茶を飲む圭が空気を読んで話を切り出す。
総長を刺した男相手に...圭ってば結構冷静なやつ。
「...刺したこと...謝りに来た」
勇気を振り絞った山崎君が流を見ながら言う。
だけど空気は良くなるどころか余計最悪に。
流は眉間にシワを寄せる。
「テメェなめてんのか?」
「...」
「刺したこと謝る?
謝るくらいなら最初っから刺してんじゃねーよ」
「...」
「ムギ味方につけたのか知らねーけど。
来るなら1人で来やがれ、むかつく」