【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
流がその場にしゃがみこんで「はぁ...」と吐いたため息は、倉庫の中にも関わらず真っ白で。
流がポケットから鍵を出して私の手を握った。
「圭、山崎の処分はお前に任せる」
ガラガラと開くシャッターの前で立ち止まって、睨むように圭を見る流。
「...俺に任せていいのか?」
「ああ。
元々はお前の下で働いてきた奴だからな。
それに俺は今そいつよりムギに構ってやらねーと」
「...総長、あんたは"そいつ"に溺れすぎだ。
女は何かあればすぐ裏切るぞ」
「...ムギは裏切ったりしねーよ。
お前は女に対してひねくれすぎだぜ?圭」
「...」
「そんなんだからいつまで経っても誰も愛せねーんだよ。
一途なこの俺様を見習いやがれ」
「...ムカつく」
「はは、ガキ。
早く見つかるといいな、お前にも、そういう女が」