【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー
「なーにムギちゃん。
もしかして嫉妬?」
「...」
「...可愛いやつ。」
床に落ちたクッションを拾ってソファに置く流は、そのまま体を右に曲げて私にキスしてきた。
予告無しのキスに、顔は真っ赤っ赤。
意味わかんない...ほんと、意味わかんない。
「ゆ...キスでご機嫌取ろうとしたって、許さないもん」
「いや、俺は普通にキスしたかったからしただけだぜ?ムギちゃん。
機嫌取りなんてめんどくせー事しねーよ」
「...」
「それにして...ムギちゃんの唇柔らかくて気持ちいいぜ。
もう1回いい?」
「...っ!?
ぶっ、ブァカ!!!!」
私ってば、なんでこんな恥ずかしい事平気でしちゃうような男が好きなんだろう!!!!
ていうかどうしよう、ドキドキしすぎて涙でてきた。
もうやだ流なんか嫌い...
うそ、好き。
「俺はちゃんとムギだけだぜ?
別に"そういう"意味で言ったんじゃなくて、男だけだとむさ苦しいから、華がほしいって言っただけだろ?」
「でも流モテるから...女の子いたら、私安心出来なくてやだ...もん」
「えっ、ムギちゃ可愛すぎね?
なに、天使なのお前?
よし、可愛さついでにそのまま一緒にお風呂入る?」
「...さよなら」