【完】壊愛ー姫は闇に魅入られてー







「お前ら朝から元気だな」



突然聞こえてきた低い声に流と2人で振り返る。


朝から学校にやって来るなんて珍しい人物
サボり常習犯の圭が欠伸をしながら現れた。




「おっ、圭はよー。
ちょうどよかった、お前ムギと同じクラスなんだろ?
護衛として一緒に教室まで行けよ」



トンっと私の背中を軽く押す流。



ぐらついた体が圭の隣に移動する。






「ちょっ!さっき私に変な男が寄り付かないようにって言ったくせに!!
なんで圭はいいのよー!!」



「あ?だって圭だぜ?安心安全だろ。
それとも圭、お前ムギに気あんのか?」



「あ?ねーよ。あったら別れてねーつーの」


「だよなー」




バカみたいに笑う流と無表情の圭。




なんかムカつく...この2人ほんとムカつく。




友達だからって圭のこと特別扱いする流なんて大っ嫌い!!!!





「もう!流なんか知らない!!
じゃあね!!」



「あっ、おいムギちゃん忘れもん!!」



「わぷっ...!!」



投げて渡された、お弁当箱の入ってる私の鞄。



今日は教科書がいっぱい入ってて
重くて重くて肩が痛かったから流の肩に掛けてもらってたけど...



「そんなに乱暴に扱わないでよ!!」



「はは、悪ぃー悪ぃー!!
カバンなんてなかなか持たねーからよ、扱い方知らねーわ」


「もう...でもありがとうね!」


「おー、どういたまー」




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