ぽっちゃり幼なじみはオオカミくんでした。


「なにが言いたいんだよ!?
今更泣いて謝られて泣きたいのは俺だってのに」


泣き始めた田中にむかついてつい声を荒らげてしまった。


「ごめんね、でもね私、亜実だったら響の事ちゃんと守ってあげれてたのかな?って思うの」

「だから、何が言いたいんだよ」

「響……亜実の事好きでしょ。」

「……は?…普通に幼馴染なだけ…別に特別な感情はねぇよ」


ほらまた俺は自分の気持ち押し殺してしまう。

バカなんだ俺は、

大バカだ


「そうなんだ…ならいいんだよ。
わたしの言ったことが響の足枷になってたらものすご申し訳ない事してるって思ったから。」

「もういいよ、謝られたってもう終わった事だから」


足枷になってたら申し訳ない?

充分足枷になってんだよ。

田中のせいで俺はビクついて告白すらできねぇんだ。

でも田中のことだからそんな事言うとまた泣いて謝ってくるのは目に見えてる。

昔から亜実が関わると何でも感情的になるところがあるから。


< 113 / 138 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop