ぽっちゃり幼なじみはオオカミくんでした。
「もういいから戻ろ。」
そう言って堤防に立ち後ろを振り返った俺は息を飲んだ。
すぐそばの電柱の後ろに亜実が立ってたから。
立ってるだけじゃなくて月明かりに照らされてキラキラとしたものが一筋頰を伝ってる。
「亜実?…泣いてんの?」
俺の声が聞こえたのかビクッと少し肩が上がるのがわかる。
俺がそばに行こうと近づくと亜実は走り出した。
「待てよ!?」
俺は後を追うように咄嗟に走り出した。