ぽっちゃり幼なじみはオオカミくんでした。
< 亜実side >


絵里の言う通りにしておけば良かった。

なんだ、響くんの中ではわたしはただの幼馴染から変わってなかったんだ。


前も同じ事を言われたのを思い返すと涙が出る。

しかも果歩ちゃんと響くんが付き合ってたこと知らなかった。

内緒事されてたみたいでなんか仲間はずれみたい。

私だけバカみたいに好きになって…

優しくしてくれたりドキッとするような事したりそれも全部幼馴染だからなの?


きっとわたしはどうでもいい存在。


響くんと目が合って咄嗟に逃げ出したわたしの頭の中はずっと同じ事をグルグル回ってる。


「亜実!待てってなんで逃げんの?」

「やだ、離してよ!」


後から追いかけてきた響くんに腕を掴まれて思わず振りほどいた。


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