ぽっちゃり幼なじみはオオカミくんでした。
「みんなに認められたくて、いじめられたくなくて必死に強い自分作り上げて…
知らねぇ間に元の自分を忘れてた。
そのせいで亜実が悲しい思いしてるなんて気づかなかった…ごめん」
後ろから抱きつかれているこの状況でドキドキはするけど異様に落ち着いていた。
「大丈夫だよ泣かなくて。」
「うん。でも、亜実が俺は優しいって、昔の響くんだって言ってくれて。
なんか、嬉しくて…嬉しさと悲しさで涙勝手に出て抑えられねぇよ…」
「うん…そっか」
「悪ぃ、ちょっとまこのままでいさせて。」
顔を伏せたまま響くんはそういった。
響くんは私が居ないあいだに苦労したんだって充分すぎるほど伝わってきた。
次は私が守ってあげなきゃ
響くんがすすり泣くのを背中に感じながらふとそう思った。