ぽっちゃり幼なじみはオオカミくんでした。
それから何分かしてすすり泣く声もなくなった。
「どう?落ち着いた?」
「…ん。」
短い返事をすると私の肩から頭をあげて私から離れた。
6月の夜は少し肌寒いけど
さっきまでの響くんの温もりでまだ背中がポカポカしてる。
でもきっとこの響くんの行動に恋愛的な意味はないんだよね…
って私何考えてるのそんなの別になくたっていいじゃん。
別に好きでもないし。
「こんな時間まで付き合わせて悪ぃ」
響くんの目はまだ少し目が充血してるようにも見える。
「全然気にしてないよ。
小さい時いつだって響くんは私を助けてくれたんだから今度は私が助ける番って事で
って響くんが大変だった時に助けれてないから意味無いんだけど…」
そう呟くと響くんは首をふるふると横に振った。
「あれは亜実のお父さんの仕事の事情だから仕方ねぇ事じゃん。
それに今でも充分助けてもらったしな」
と言って微笑む。
その笑った顔に少しときめく自分がいる。
「響くん笑ってた方が好き。
なんか柔らかく見えて昔の響くんみたいで落ち着く。」
そう言うと響くんは照れくさそうに少し下向いて微笑んで片手で頭をかいた。