蟻とくそ

「おい上川」


低い声で呼ばれる。

後ろの席の北山くんだった。


話をしたことなんてほとんどない。


女子が僕に話しかけてるときにいつも睨んでくる以外に関わりがない。


「…なに?」


「何で告白断ったんだよ」


ああ、

あの女子のこと、北山くん「ヤりてえ」って言ってたからだ


「僕はあの人のこと好きじゃなかったから」


隠すほどの理由でもないから正直に答えた



「…は?」


北山くんはとても怖い顔をしていた
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