トライアングル・キャスティング 嘘つきは溺愛の始まり
私の手は顔の横で抑えつけられ、足の間に篤さんの膝が割って入る。
「ほら、実際は唇に触れてないでしょう?」
篤さんは、兄の演技に似せた熱っぽい視線と、私を試すような意地悪な表情を器用に入れ換えた。
でも……触れてなくても、こんなにドキドキしてしまった。兄はどうなんだろう? 演技でこんなことをして、恋に落ちてしまわないだろうか。
『本当は今だけじゃなく、ずっと君を奪いたい』
太ももに手が添えられ、足の間を伝う。大きな手のひらの体温が、熱く伝わってくる。
「ほら、実際は唇に触れてないでしょう?」
篤さんは、兄の演技に似せた熱っぽい視線と、私を試すような意地悪な表情を器用に入れ換えた。
でも……触れてなくても、こんなにドキドキしてしまった。兄はどうなんだろう? 演技でこんなことをして、恋に落ちてしまわないだろうか。
『本当は今だけじゃなく、ずっと君を奪いたい』
太ももに手が添えられ、足の間を伝う。大きな手のひらの体温が、熱く伝わってくる。