トライアングル・キャスティング 嘘つきは溺愛の始まり
篤さんはさっきまでの柔和な笑顔ではなく、濡れたような熱っぽい瞳が強く私を見据えていた。


私の頬に右手を添えて、左手で髪を撫でると私をぎゅっと抱き寄せる。



この手が兄の手ならいいのに……



篤さんは私に唇を近付けると、また唇が触れないぎりぎりの距離で止める。



そのまま、私をゆっくりとソファに押し倒した。
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