トライアングル・キャスティング 嘘つきは溺愛の始まり
画面には兄から篤さんに向けたメッセージが表示されていて、兄が調べている内容を篤さんに報告しているようだった。


そのメッセージの最後に、


(二人の後を付ける人物を特定した)


と記されている。


良かった……。上手くいったんだ。
篤さんが無言のまま、にっこりと微笑む。


安心している間に、追加のメッセージが届く。


(細かいことは後で
とりあえず今日の目的は達したと思う)


篤さんが画面を私に見せたまま、返事を送信していた。


(ナイス おつかれ(^-^))


兄とは全然違う軽い文面にちょっと笑ってしまう。
また追加のメッセージがあり、


(もう用は済んだから早く瑞希を帰宅させるように)


兄も兄で、堅すぎる文章は友達に送るメッセージとしてはちょっとどうかなと思う。


(やだ(°∀°)
今良いところなんだよー)


篤さんいたずらっ子のような顔で携帯に指を走らせると、その後は鳴る携帯を放置して和菓子を口に運ぶ。


「旨いなこれ。

何か追加で頼もーぜ。」


その後は宇治抹茶パフェを二人で食べて、声を盗聴器に拾われないようにひそひそ声で話をした。
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