トライアングル・キャスティング 嘘つきは溺愛の始まり
「どうかな。俺が見る限り……」
篤さんの言葉を遮るようにドアが開き、兄が戻ってきた。声をかける間も無く、強引に腕を引かれる。
「帰るぞ」
さっきまでの興奮は収まっているものの、その分鋭さを増した声だ。
今までこんなに冷たく話しかけられたことなんて一度も無かったので、それだけで心が痛い。
私に失望したのかな。
引き摺られるように部屋を出ながら、何か話しかける言葉を探したけれど何も見つからなかった。
……
一方、一人残された奥村篤は、ひっそりと深くため息をついていた。
「俺、良い人過ぎないか?
なんで応援しちゃったかな。
……こういうの、キャラじゃないんだよなー」
篤さんの言葉を遮るようにドアが開き、兄が戻ってきた。声をかける間も無く、強引に腕を引かれる。
「帰るぞ」
さっきまでの興奮は収まっているものの、その分鋭さを増した声だ。
今までこんなに冷たく話しかけられたことなんて一度も無かったので、それだけで心が痛い。
私に失望したのかな。
引き摺られるように部屋を出ながら、何か話しかける言葉を探したけれど何も見つからなかった。
……
一方、一人残された奥村篤は、ひっそりと深くため息をついていた。
「俺、良い人過ぎないか?
なんで応援しちゃったかな。
……こういうの、キャラじゃないんだよなー」