トライアングル・キャスティング 嘘つきは溺愛の始まり
しばらくすると、兄の姿が見えてびっくりする。衣装なのか黒い細身のスーツに身を包んでいて、いつもより大人っぽく見えた。



「なんでお兄ちゃんが……!」



「それはこっちのセリフだ、何で瑞希がここに」




あのキスの後からずっと顔を合わせていなかったのに、よりによってこんなタイミングで兄に会ってしまうなんて。



固まる私たちを前に、山瀬さんがニヤっと笑う。その表情はイタズラが成功した子供みたいだ。



「はーい、兄妹ならリラックスして撮影出来るでしょ。拓真くんは新人の妹さんをサポートしてあげてね。」



「ちょっと待って下さい、何で瑞希がここに」



「話は後で。ちゃんと説明するから今は仕事に集中しなさい。」



そう言われると兄もそれ以上は食い下がれない。



「承知しました。後できちんと説明してくださいね。」



「勿論。じゃあ早速だけど、瑞希ちゃんを軽くバグして。仲の良い兄妹、じゃなくて恋人って雰囲気でね。
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